この一年の間、身延町、下部大炊平(おいだいら)地区に何度か足を運んだ。
自然が豊かで、穏やかなところである。
栃代川沿いの右岸にあるこの地域そこには、いつも目に入る一つの石碑がそびえ立っている。
正面には『禁酒興国』と書かれている?酒を禁じて、国を興す?
アメリカの禁酒令は知っているが日本でも同じ様な取り組みがあったのか?それも身近な下部で!
調べたところ、大正末期、署名、血判の連判状のもと、なんと禁酒団が設立され、基金を積み立てて、この碑が建立されたようである。
昔の『飲む』『打つ』という悪癖から田畑を酒代、あるいは博打の質に取られるのを防ぐため、大正から終戦まで地域ぐるみの禁酒運動が続いていたという。
重要なのは、
単に禁酒運動という視点だけでなく、その背景にある、地域独自の方向性を打ち出す(今でいう条例制定か?)真剣な議論とリーダーシップ、実行という大きなエネルギーだ。
このような、先人の地域を思う実行力とエネルギーに敬服する。
地域独自の取り組みは、難問を幾つも抱えるこれからの地域づくりには欠かせない。
鳥獣害対策、過疎化、少子高齢化問題・・・。
切り口を見つけなければならない。
待っているだけでは取り残されてしまう。
解決は並大抵の事では出来ないが、私たちの地域独自の視点と取り組みが必要では無いだろうか。
地域に合った、地域独自の取り組みを仕掛けていかなければならない。