私たちの地域には、その道のスペシャリストが多数活動している。
まさに執念を燃やして地域の為に尽くしている方々の一人として、獣害対策を研究し続けている、山本さんに出会った。
彼は大学院の獣害対策の研究のために早川町に来たが、修了後、大手コンサルタントの内定を断り、早川町に移り住み、ほぼ休み無しの体制で活動を続けている。
今対策をしなければ早川は手遅れになってしまうという理由だ。
安定した生活を捨てて、私たちの地域の為に活動して頂いている。
初めて知ったのだが、
いたずらに猿を撃っても、群れが分裂して、縄張りが広がり更に被害が拡大すること。
電気柵と鉄砲(猟)に頼って来た今までの対応の検証や、弱点などを熱く語って頂いた。
現場から沸き上がった知識と対応策の引き出しの数が凄い。
しっかりとした経験と自信が垣間見られる。
猿の群れの行動パターンを読み、天気予報のような予測をすることが大切との事。
電気柵のメンテナンス、維持管理の大変さ、無計画な設置状況、里守り犬、モンキードッグ、などなど、ここでは書ききれない話しは眼から鱗だった。
確かに、
一年間苦労し、育て上げた農産物を荒らされてしまう農家の方々の空虚さは、想像以上であり推し測れない。
藁をもすがる思いでいる、農家の方々の為になりたいと思いは強かったが、ただ柵の予算をつける、単に捕獲個体数を増やすだけの、通り一辺倒な対策だけで、獣害対策をしていた気になっていた議員としての自分が恥ずかしい。
何が、どんな対策が本当は必要なのかを抜本的に考え直さないといけない。それも早急にだ。
山間部の農家は疲弊し、次第にやる気を失ってしまう。
その事は、地域の農産物、特産物の販売力にも影響し、後継者不足に拍車をかけ、ひいては地域経済のみならず、限界集落化、人の住まない地域を造り出す要因の一つと考える。
今、まさに努力をしている、闘っている点と点とを結び付け、峡南方式の、本当に有効な獣害対策技術をみんなで話し合いたい。
そして、この地域から発信出来る先進技術が確立出来ればと願っている。
私たちの地域のために、農家の汗が報われるように、直ぐにアクションを起こそうと画策している。